故人のスマホが開かない・サブスクが解約できない|請求を止める手順【松本市】

この記事の要約
故人のスマートフォンのロックは、遺族でも携帯ショップでも解除できません。携帯電話会社の窓口では「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と案内されます。一方でサブスクリプションは、解約手続きをしない限り請求が続きます。事業者には契約者が亡くなったことを知る手段がないためです。結論は「スマホを開けることをあきらめて、請求側からたどる」。この記事では、松本市で遺品整理を承っている私どもが、国民生活センターの公表事例をもとに、請求を止めるまでの手順をお伝えします。
故人のスマホのロックは解除してもらえますか?
結論:できません。遺族であっても、携帯電話会社の店舗であっても、画面ロックの解除は行えません。
国民生活センターが2024年11月20日に公表した報道発表「今から考えておきたい『デジタル終活』」には、次の相談事例が掲載されています(注1)。
亡くなった兄は、生前にネット銀行で口座を開設していたようだ。契約先を確認するために、携帯電話会社の店舗でスマホの画面ロックを解除してほしいと依頼したが、「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われた。(2024年2月受付・60歳代男性)
同センターは「スマホやパソコンにはパスワードによるロックがかかっていることが多く、遺族がそのパスワードを知らない場合、ロックを解除することは非常に困難です」としています。
修理業者や解析業者に依頼する方法を探される方がいますが、費用に見合う成果が得られるとは限りません。まずは、スマホを開けなくてもできることから進めてください。
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スマホが開けないと、何が困りますか?
結論:「どの会社と契約していたか」が分からなくなることです。困るのは端末の中身そのものより、契約先の手がかりが集まっている場所を失うことです。
同センターは「スマホやパソコンにはネット上の資産を管理するアプリや、契約内容の確認メール等が集約されている」と指摘しています。紙の契約書が届かないサービスほど、手がかりが端末の中だけにあります。
| 端末が開けないと困るもの | 理由 |
| ネット銀行・ネット証券 | 通帳も支店もないため、契約先を知る手段が端末に偏る |
| コード決済サービスの残高 | 残高の有無すら分からない |
| サブスクリプション | 請求元の名前が分からず、止め方も分からない |
| 有料のクラウド保存 | 契約が続き、課金も続く |
| 写真・動画 | クラウドに保存されていないものは取り出せないことがあります |
逆に言えば、契約先さえ特定できれば、端末が開けなくても手続きは進みます。
デジタル遺品の全体像はデジタル遺品の整理にまとめています。
解約していないサブスクの請求は、どうなりますか?
結論:止まりません。契約者が亡くなっても、解約手続きをしない限り請求は続きます。事業者には死亡の事実を知る手段がないためです。
国民生活センターは「契約者が死亡していたとしても、事業者はその事実を知る手段がありませんので、相続人となる遺族等が解約手続きを行う必要があります」と明記しています(注1)。
同じ資料には、次の事例も掲載されています。
夫が亡くなり、携帯電話を解約した。最近、クレジットカードの利用明細書に、約1,000円の不明な請求があるのを見つけた。カード会社に問い合わせると、「スマホのセキュリティのサブスクではないか」と言われた。携帯電話のキャリアに相談すると請求元を教えてもらえたので、サブスクの事業者に問い合わせると、「すぐに解約するためにはIDとパスワードが必要だ」と言われた。(2024年7月受付・80歳代女性)
月1,000円でも、気づかなければ年に12,000円が出続けます。額が小さいものほど明細の中で見落とされます。
IDとパスワードが分からなくても解約できますか?
結論:できる場合が多いです。国民生活センターは「ID・パスワードがわからない場合でも、契約先事業者が特定できれば、遺族から連絡することで、解約等に応じてもらえるケースが多くみられます」としています(注1)。
つまり、やるべきことは「パスワードを探すこと」ではなく「契約先を特定すること」です。
先の事例でも、いったんは「IDとパスワードがわからなければ、すぐには解約できない」と言われています。最初の窓口の回答で止まらず、死亡の事実を伝えたうえで相続人として改めて相談することが要点です。事業者によっては、専用の窓口や書面での手続きが用意されています。
請求元が分からないときは、どう調べればいいですか?
結論:端末ではなく「お金の出口」からたどってください。クレジットカードの明細、預金通帳の引落し、携帯電話の料金明細の3つです。
- クレジットカードの利用明細 — 直近12か月分を取り寄せ、毎月同額で繰り返し出ているものに印をつけます。年払いのものがあるため、12か月分が必要です
- 預金通帳・口座の入出金明細 — 口座振替になっているものはここに出ます。記帳されていない分は金融機関で明細を出してもらえます
- 携帯電話会社の料金明細 — キャリア決済でまとめて払っているものはここに含まれます。上の事例のように、キャリアに相談すると請求元を教えてもらえる場合があります
- 郵便物とメール — 更新のお知らせが紙やメールで届いていることがあります。パソコンが開けるなら、受信メールを「領収」「ご請求」「更新」で検索します
カードや口座を先に解約すると、請求元をたどる手がかりが消えます。サブスクの洗い出しが終わるまで、カードの解約は待ってください。決済が止まると未払いとして債権が残る可能性もあります。
期限のある手続きは死後の手続き期限一覧をご覧ください。
携帯電話の解約には何が必要ですか?
結論:死亡の事実が確認できる書類と、手続きされる方の本人確認書類です。戸籍謄本でなくても手続きできる場合があります。
NTTドコモは、死亡の事実が確認できる書類の例として次を挙げています(NTTドコモ|ご契約者の死亡による解約)。
「葬儀の案内状」「香典返しのお礼状」「新聞の訃報欄(おくやみ欄)」「住民票(除票)」「除籍がわかる戸籍謄本(全部事項証明書)」「埋葬(火葬)許可証」「死亡診断書」「法定相続情報一覧図の写し」など
本人確認書類として「運転免許証」または「マイナンバーカード(個人番号カード)」などの持参を案内しており、解約日までの利用料金は翌月請求、事務手数料はかからないとしています。dポイント/ドコモポイントは解約すると失効するとも明記されています。
必要書類と手続き場所は会社ごとに異なります。契約中の会社の公式サイトでご確認ください。なお、携帯電話を解約しても、キャリア決済以外のサブスクは止まりません。先にサブスクの洗い出しを終えてから解約されることをお勧めします。
Apple や Google のアカウントはどうなりますか?
結論:生前に「アクセスできる人」を指定していれば、遺族がデータにアクセスできます。指定がない場合も、申請によってアカウントの削除はできます。
Appleは「故人アカウント管理連絡先」という仕組みを設けています。指定された方がデータにアクセスするには、指定時に発行されたアクセスキーと死亡を証明する書類が必要で、日本の場合は「死亡証明書ではなく、アカウント所有者の死亡の記載がある戸籍謄本が必要になる場合があります」とされています(Apple|故人アカウント管理連絡先を追加する方法)。
事前の指定がない場合について、Appleは「故人のApple Accountの削除は、Appleの『デジタル遺産』ウェブサイトで申請できます」とし、日本では裁判所命令の代わりとなる書類や手続きが認められていること、アカウントの削除が承認されるとアクティベーションロックが自動的に解除されることを案内しています(Apple|亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する方法)。
Googleにも「故人のアカウントに関するリクエストを送信する」という窓口があります。国民生活センターも、これらの事前設定を活用するよう勧めています(注1)。
手続きの内容は変更されることがあります。実際に進める際は、各社の公式ページで最新の案内をご確認ください。
松本市でのご状況、まずはお聞かせください
急ぎ・遠方・古民家・買取したい品がある——どのケースでも、現地を拝見して内訳の分かるお見積りを書面でお出しします。押し売りは一切いたしません。
遺品整理のとき、何を残しておけばいいですか?
結論:スマートフォン・パソコン・タブレットの本体と、充電器、そして書類の束です。処分は、サブスクの洗い出しが終わってからにしてください。
現場でよくあるのが、家財を片付ける段階で端末をまとめて処分してしまい、あとから請求が見つかったときに手がかりが何も残っていないというケースです。
作業前に取り分けておきたいものは次のとおりです。
| 残すもの | 理由 |
| スマートフォン・パソコン・タブレット本体 | 後日開ける可能性がある。処分は最後に |
| 充電器・ケーブル | 通電できないと確認もできません |
| ルーター・回線の書類 | 回線契約が続いていることがあります |
| クレジットカード・通帳・キャッシュカード | 請求元をたどる出発点です |
| 郵便物(未開封のものも) | 更新案内が紙で届いていることがあります |
| 手帳・メモ・付箋 | パスワードが書き残されていることがあります |
私どもは、通帳・印鑑・権利証・保険証券・お写真に加え、デジタル機器と書類は必ず別に取り分けてお渡しします。処分の可否は確認をとってから進め、遠方で立ち会えない場合も作業前・作業中・作業後のお写真でご報告します。廃棄物の処分は、許可業者へ委託して行います。
処分すると困るものは遺品整理で捨ててはいけないもの一覧、遠方からの進め方は遠方から実家じまいを頼む方法をご覧ください。
自分の側で、今から備えられることはありますか?
結論:あります。国民生活センターは、パスワードの保管方法まで具体的に示しています。
同センターが挙げている対策は次のとおりです(注1)。
- 緊急時にロックを解除できるようにしておく — 名刺大の紙にパスワードを記入し、その部分に修正テープを2〜3回重ね貼りしてマスキングして保管する。遺族が必要なときにコインなどで削って確認する。パスワードをそのまま書かず、家族にだけ分かる合言葉を記載する方法もある
- サービス名・ID・パスワードを整理しておく — オンライン契約は契約書面がメールで交付され、遺族が見つけにくい
- エンディングノートを活用する — 法務省と日本司法書士会連合会が無料で公開しています
- アクセスできる人を事前に指定する — Apple・Googleの設定を使う
日頃からパスワードを家族と共有しておくことは、別のトラブルのもとになります。同センターも、パスワードは第三者に知られないよう適切に管理することを前提に、上の工夫を「緊急時の対策の一法」として示しています。
エンディングノートの書き方はエンディングノートの書き方にまとめています。
まとめ
- 故人のスマホの画面ロックは、遺族でも携帯ショップでも解除できない
- サブスクは解約しない限り請求が続く。事業者は死亡を知る手段がない
- ID・パスワードが分からなくても、契約先を特定できれば解約に応じてもらえることが多い
- 請求元はカードの明細・通帳の引落し・携帯の料金明細からたどる。カードの解約は洗い出しが終わるまで待つ
- 携帯電話の解約は、戸籍謄本でなくても葬儀の案内状などで手続きできる場合がある
- Apple・Googleは事前指定の仕組みがある。指定がなくても削除の申請はできる
- 遺品整理のとき、端末と書類は最後まで処分しない
私ども三つ星遺品整理 清三郎は、松本市神田に拠点を置き、松本市内全域と長野県全域で遺品整理を承っています。出張費は長野県内であれば上乗せいたしません。松本市内は最短当日、松本市以外の長野県内は最短翌日で伺えます。お見積りは無料です。最終金額は現場お見積りで書面にて確定いたします。お見積り後の追加料金はいただきません(作業当日に追加のご要望をいただいた場合を除きます)。買取できるお品は古物商許可(長野県公安委員会 第481321600012号)のもとで査定し、作業費から差し引いてご精算します。
よくある質問
Q1. 故人のスマホのパスワードを解析してくれる業者はありますか?
そうしたサービスを掲げる事業者はありますが、費用に見合う成果が得られるとは限りません。国民生活センターも、遺族がパスワードを知らない場合にロックを解除することは非常に困難だとしています。まずはクレジットカードの明細や通帳から契約先をたどる方法をお試しください。
Q2. 携帯電話を解約すればサブスクも止まりますか?
止まるのはキャリア決済でまとめて支払っていたものだけです。クレジットカードで直接引き落とされているサブスクは、携帯電話を解約しても請求が続きます。先にカードの明細から洗い出してください。
Q3. クレジットカードを先に解約してはいけませんか?
サブスクの洗い出しが終わるまでは待ってください。明細は請求元をたどる最大の手がかりで、カードを解約すると確認が難しくなります。決済が止まることで未払いとして債権が残る可能性もあります。
Q4. 解約に必要な書類は何ですか?
事業者によって異なります。死亡の事実が確認できる書類と、手続きされる方の本人確認書類を求められるのが一般的です。携帯電話会社では、戸籍謄本のほか葬儀の案内状や住民票(除票)などが認められる場合があります。契約先の公式サイトでご確認ください。
Q5. スマホやパソコンは処分してもらえますか?
承れますが、サブスクの洗い出しが終わるまでは残しておくことをお勧めします。後日開ける可能性もあります。処分される場合は、データの取扱いについて事前にご相談ください。
Q6. 写真だけでも取り出せませんか?
端末が開けない場合、端末の中だけに保存されていた写真を取り出すのは極めて困難です。一方で、クラウドに保存されていた写真は、Apple・Googleの故人アカウントの手続きを通じて取得できる可能性があります。プリントされたお写真やアルバムの扱いは写真・アルバム・手紙の遺品整理をご覧ください。
Q7. どこに相談すればいいですか?
契約や請求のトラブルは、松本市消費生活センター(0263-36-8832・平日8:30〜17:00)または消費者ホットライン188へ。家財の片付けについては私どもへお電話(0120-702-708・平日9:00〜17:00)かお問い合わせフォームからご相談ください。
この記事について:三つ星遺品整理 清三郎(株式会社ヴィンテージストック・松本市神田1-33-4/古物商 長野県公安委員会 第481321600012号)が、故人のスマートフォンやサブスクリプションの扱いに困っている方に向けて制作しました。(注1)出典:独立行政法人国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-」(2024年11月20日 報道発表)。あわせてNTTドコモおよびAppleの公式案内を参照しています。いずれも2026年9月14日時点の情報で、手続きの内容は変更されることがあります。実際に進める際は各社の公式ページでご確認ください。個別の法的判断は消費生活センター・弁護士等にご相談ください。
執筆:清三郎 編集部 公開日:2026-09-14 最終更新日:2026-09-14